・基底細胞がん
基底細胞がんは皮膚ヒフの加齢とともに増加して、70歳以上の患者が全体の50%近くにのぼります。男女の発症数の差はほとんどみられません。有きょく細胞がんと同様に、紫外線の影響が大きいとされています。約80%は頭や顔に発生し、特に鼻やまぶた、耳のまわりに多く生じます。
黒色や黒褐色のほくろに似た皮膚ヒフの盛り上がりが初期症状で、数年かかって大きな腫れとなります。中心が陥没して潰瘍が生じ、出血しやすくなります。進行はゆっくりで、放置すると筋肉や骨に浸潤しますが、リンパ節やほかの臓器に転移することはめったにありません。
・悪性黒色腫
悪性黒色腫は、ほくろのがんで、多くは黒い色をしているのが特徴です。20代から目立ち始め、40歳以降に増加しますが、最も多いのは70代以降です。足の裏や爪に発生しやすいことから、慢性的な刺激や外傷の瘢痕が大きな誘因と考えられています。
また、色素性乾皮症では若いうちに悪性黒色腫を発症しやすいようです。悪性黒色腫は、悪性黒子型黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、末端黒子型黒色腫の4タイプに分けられます。
悪性黒子型黒色腫は60歳以上の皮膚ヒフに多くみられ、顔や首、手の甲などの日光のあたりやすい部位に発生します。初期には褐色や黒色の悪性黒子というほくろのような病変が生じ、次第に濃い黒色になり、大きさも拡大してきます。やがて、腫れや硬いしこりを伴って悪性黒色腫に変化します。発症数は4タイプのなかでも最も少なく、治癒する確率は比較的高いとされています。
50代以降を中心に、子どもや高齢者にもみられる表在拡大型黒色腫は、全身の皮膚ヒフに生じます。初期症状は、褐色や黒褐色の色素斑で、わずかに隆起がみられます。進行すると隆起の表面がでこぼこし、色はまだらになります。進行は比較的ゆっくりです。
40~50代に多くみられる結節型黒色腫も、全身に発生する可能性があります。
最も悪性度の高いタイプで、早くから転移を起こします。進行が早く、最初から半球状や山状、くびれのある有茎状などの隆起を形成します。色は褐色から黒褐色で、濃い黒色が混じってまだらになることもあります。

