■発症に影響する紫外線
皮膚に加わる過剰な刺激が、発がんの誘因になることがあります。例えば、紫外線や放射線は細胞の遺伝子を傷つけて、がん化させることがわかっています。実際、紫外線を長期にわたって大量に浴びた高齢者の顔には、がんの始まりである
日光角化症(老人性角化症)がしばしば生じます。子どものころから長期にわたって紫外線を浴び続けると、紫外線の影響が蓄積されるので、高齢になるほどヒフがんを発症しやすくなります。
やけどや外傷が治った後に、薄い表皮で覆われた傷跡が残ることがあります。手足のように、外部からの刺激を受けやすく、動きの多い部位に生じた瘢痕(はんこん)は、長年のうちにがんに移行するケースがみられます。大量の放射線被曝も、やはりがんの誘因となります。また、コールタールやヒ素などの化学物質には発がん性があり、コールタールが繰り返し付着するとがん化を招くケースがあります。
また、ヒ素中毒の人の皮膚に、何年かたった後にボーエン病という表皮内がんが
多発することもあります。粘膜の病気に引き続いて、がんが発生するケースも少なくありません。がんの起因となる病気としては、紫外線に対する防御システムが先天的に欠如している色素性乾皮症、口腔や外陰部の粘膜に白い斑点が生じる白板症(ロイコプラキー)などがあげられます。
ヒフへの慢性的な刺激が、がん化を促すケースもみられます。靴擦れを繰り返すうちにできた潰瘍、床ずれ、男性の真性包茎による陰部の炎症が原因になることもあります。細菌の感染によっておできができて、同じ部位での発生と治癒を繰り返すうちに、がんになることもあるようです。
